第24回OACISシンポジウム
「ヘルスケアとIT」実施報告
- 開催日:平成25年7月5日(金)
- 会場:グランフロント大阪
- 参加対象:IT連携フォーラムOACIS 会員及び入会希望会社・団体、その他参加希望者
- 参加者数:85名
平成25年度OACIS総会
まず、平成25年度OACIS総会が開催された。総会への参加社数は17社(委任状6社を含む)であった。 OACISチェアマンの井上情報科学研究科長より、総会成立の確認の後、以下が付議され、了承された。
- 第一号報告(平成24年度活動報告)
第22回シンポジウム(参加者数:70名)、第23回シンポジウム(参加者数:73名)、個別技術座談会3回、OACIS講座2回の実施、Annual Report 2012〜2013の刊行などが報告され、了承された。
- 第二号報告(平成24年度決算・監査報告)
当期収入3,209,209円に対して、当期支出4,544,260円の活動を実施した。次年度繰越金は4,564,138円となった。監事のシスコシステムズ合同会社 櫻井豊氏より監査の代理人として委任された同社 中島晋氏より支出が適切に処理されていることが報告され、了承された。
- 第一号議案(アドバイザリボードメンバー、ステアリングコミティーメンバーの変更)
アドバイザリーボードメンバー1名の交代、ステアリングコミティーメンバー1名の退任と3名の変更が提案され了承された。
- 第二号議案(平成25年度活動計画および収支予算)
会員サービス強化に向け、シンポジウムの継続、技術座談会の見直しによる強化などへ優先的な投資を行う計画であることが報告され、了承された。また、当期収入3,121,200円、当期支出3,450,000円とする予算案が提案され、了承された。
第24回OACISシンポジウム第1部 (13:30〜17:50)
第1部では、OACISステアリングコミティメンバーの谷田教授によるOACIS紹介の後、「ヘルスケアとIT」をテーマに、大学、官公庁、企業から下記4件の講演が行われました。
- 「健幸」という新たな社会的価値の創造に向けて
講演者:大阪大学 教授 産学連携本部 副本部長 徳増 有治 氏
概要:新たな成長戦略の下、大胆な規制緩和や特区の活用等を通じて、政府を挙げて健康長寿(健康寿命延伸)産業の育成に取り組んでいくこととされている。しかし、こうした取組みが国民の健康増進につながっていくためには、提供される製品、サービス等の質的向上のみならず、国民の健康に対する関心や具体的取り組みが自律的に高まっていくことが必要となっている。このため、個人の健康情報の活用を含めた、環境整備のあり方について考えが述べられました。
- ライフサイエンス領域における我が国の政策
講演者:大阪大学 大学院医学系研究科 寄附講座 准教授 内閣官房健康・医療戦略室 企画官 浅野 武夫 氏
概要:政府は、総理の主導のもと「成長戦略」を6月に纏めた。この中でライフサイエンス系、特に健康・医療の領域は「健康・医療戦略」として、前政権時に作成された「医療イノベーション5カ年戦略」を踏襲ならびに発展させ、イノベーションの創成ならびに国際競争力の確保に向けた戦略として再編成した。今後は、この「健康・医療戦略」がベースとなって国の政策が立案/実行されていく。今回は、6月に編成された「健康・医療戦略」の内容について紹介されました。
- 医療のIT化 -これまでの経緯とこれからのビジョン-
講演者:大阪大学 大学院医学系研究科 情報統合医学講座 医療情報学 教授 松村 泰志 氏
概要:1980年代より検査依頼用紙や処方箋を電子化する病院が出始め、今日では、全ての伝票、診療録、医用画像を電子化する病院が増えている。これからは、複数の医療施設が連携し、患者の生涯に渡る一連の診療記録を作成しながら医療を進めていく体制を構築すべきと考える。これにより確実な医療が実施できることに加え、重要な臨床研究基盤ができる。これに遺伝子多形情報を組み合わせることにより、テーラーメイド医療への道が開けることなどが紹介されました。
- 地方IT企業の医療分野への取り組み(成功もあれば失敗も)
講演者:株式会社ミウラ 取締役 清水 惠 氏
概要:地方の中小企業でも、色々な大学との連携で、独自性を持った製品つくりが可能となります。弊社でもこれまで大学、医療機関との良いコミュニケーションの中から、開発が成功し、製品化されたものがございます。これらの開発経緯と製品の内容が紹介されました。
第24回OACISシンポジウム第2部 (18:00〜20:00)
第2部の自由討論会では、OACISチェアマンの井上情報科学研究科長の挨拶の後、活発な議論がそれぞれの参加者の間で交わされました。
アンケート結果
回収されたアンケートは30でした。
設問:今回の参加目的(複数回答可) |
「ヘルスケアとIT」についての情報収集 | 17 |
講演テーマや講演者への関心 | 12 |
大阪大学の取り組みへの関心 | 8 |
その他 | 1 |
無記入 | 0 |
設問:シンポジウムにご参加された全体的な印象は |
大変役に立った | 10 |
役に立った | 17 |
普通 | 2 |
役に立たなかった | 0 |
全く役に立たなかった | 0 |
無記入 | 1 |
アンケートの中から自由意見を以下に示します。
- ヘルスケアにおけるICT (Information and Communication Technology) 化の状況と課題が分かった
- 役所・病院・ベンダと様々な観点から医療についてのお話を伺えてとても参考になりました
- 医療システムに携わる方の生のお話が非常に参考になりました
- これからの環境整備のあり方,政府の戦略,阪大病院での取組みとそれぞれ違った切り口で話が聞けて大変役に立った
- 大変面白い話が聞けて有意義でした.素人にも分かりやすい内容で良かった