第23回OACISシンポジウム
「イメージング技術の新展開」実施報告
- 開催日:平成24年11月30日(金)
- 会場:千里阪急ホテル
- 参加対象:IT連携フォーラムOACIS 会員及び入会希望会社・団体、その他参加希望者
- 参加者数:73名
第23回OACISシンポジウム実施報告
第1部では、OACISチェアマンの井上情報科学研究科長によるOACIS紹介の後、「イメージング技術の新展開」をテーマに、企業および大学における下記4件の講演が行われました。
- コンピューテーショナルフォトグラフィとは
講演者:広島市立大学 大学院情報科学研究科 知能工学専攻 教授 日浦 慎作 氏
概要:光学系を含むカメラ全体の設計を情報処理の観点から見直すことで、ピントを合わせる距離を撮影後に自由に変更するなど、従来のカメラでは不可能だった機能を実現するコンピュテーショナルフォトグラフィ技術に注目が集まっています。この講演ではこの技術の基礎となるコンセプトが紹介され、国内外の代表的な研究例について紹介されました。
- 画像認識ビジネス 〜富士通が進めるビジョンソリューションのご紹介〜
講演者:株式会社富士通研究所 メディア処理システム研究所 塩原 守人 氏
概要:画像認識研究の黎明期以来、顧客の現場での観察を基本として、映像から新しい価値を生み出す富士通の「ビジョンソリューション」について、事例を通して紹介されました。
- インテリジェントビジョンセンサによる高速高精度計測と制御
講演者:浜松ホトニクス株式会社 中央研究所 豊田 晴義 氏
概要:「画像センシング〜画像処理〜判断・制御」までの処理をミリ秒オーダで行うインテリジェントビジョンセンサ(IVS)について述べられました。東京大学石川研究室と進めたロボット制御実験を始め、組立や検査工程の自動化を目指した3次元計測や、光計測の応用として進めている位相計測・波面計測などへの応用事例が紹介されました。
- 複眼計算イメージング
講演者:大阪大学 大学院情報科学研究科 情報数理学専攻 教授 谷田 純 氏
概要:昆虫などに見られる複眼光学系は、光線信号に基づく立体情報のみならず、個眼ごとの光学特性の設定により、多様な物体情報を取得し、再構成することができます。本講演では、複眼撮像システムTOMBOによる実装例が示され、物体画像の多重化を利用したイメージング技術が紹介されました。
第2部の自由討論会では、OACISチェアマンの井上情報科学研究科長の挨拶の後、活発な議論がそれぞれの参加者の間で交わされました。
アンケート結果
回収されたアンケートは29でした。
設問:今回の参加目的(複数回答可) |
「イメージング技術の新展開」についての情報収集 | 16 |
講演テーマや講演者への関心 | 10 |
大阪大学の取り組みへの関心 | 6 |
その他 | 1 |
無記入 | 0 |
設問:シンポジウムにご参加された全体的な印象はいかがでしたか |
大変役に立った | 7 |
役に立った | 21 |
普通 | 1 |
悪い | 0 |
大変悪い | 0 |
無記入 | 0 |
アンケートの中から自由意見を以下に示します。
- 画像認識のビジネスシーンについて知る事が出来た。
- 基礎的な技術から先端的、応用的技術まで幅広い。門外漢の場合、まず始めに基礎的な話から導入を設けてもらえば尚良い(例,講演TVを始めに等)。
- 普段聞けない研究のお話が聞けてとても良かったです。これからの研究に生かして行きたいと思います。
- CPの分野について知識はあったが、実際のTOMBOの概要が聞けて理解が深まった。
- 最新の企業や大学での研究を知る事が出来て有意義だった。
- 興味深い話が聞けた。
- 画像処理・デバイス・ビジネス(サービス)寄りといった様に講演ごとにバラエティに富んでおり、大変ためになりました。
- 研究からビジネスまで俯瞰でき、且つ画像処理の将来を期待させるまとまった内容で有意義でした。
- 光学的、画像処理共に進歩している事を感じました。カメラの仕事をしている私としては非常に興味があります。有り難うございました。
- 興味ある分野だったので、役立ちました。