第22回OACISシンポジウム
「金融工学と情報通信技術」実施報告
- 開催日:平成24年7月6日(金)
- 会場:大阪大学中之島センター
- 参加対象:IT連携フォーラムOACIS 会員及び入会希望会社・団体、その他参加希望者
- 参加者数:70名
平成24年度OACIS総会
まず、平成24年度OACIS総会が開催されました。総会への参加社数は25社(委任状14社を含む)でした。 OACISチェアマンの井上情報科学研究科長より、総会成立の確認の後、以下が付議され、了承されました。
- 第一号報告(平成23年度活動報告)
第20回シンポジウム(参加者数:64名)、第21回シンポジウム(参加者数:69名)、個別技術座談会5回、OACIS講座2回の実施などが報告され、了承されました。
- 第二号報告(平成23年度決算・監査報告)
当期収入3,791,531円に対して、当期支出4,820,557円の活動を実施しました。
次年度繰越金は5,899,189円となりました。
監事のシスコシステムズ櫻井豊氏より支出が適切に処理されていることが報告され、了承されました。
- 第一号議案(アドバイザリボードメンバー、ステアリングコミティーメンバーの変更)
アドバイザリボードメンバー1名、ステアリングコミティーメンバー4名の変更が提案され了承されました。
- 第二号議案(平成24年度活動計画および収支予算の決定)
会員サービス強化に向け、OACIS講座、個別技術座談会の継続など積極的な投資を行う計画であることが報告され、了承されました。
第22回OACISシンポジウム実施報告
シンポジウム第1部では、OACISチェアマンの井上情報科学研究科長によるOACIS紹介の後、「金融工学と情報通信技術」をテーマに、企業および大学における金融工学と情報通信技術に関する下記報告4件が実施されました。
- 金融工学とは何か
講演者:大阪大学 金融・保険教育研究センター 大西 匡光 氏
概要:金融工学、あるいは数理・計量ファイナンスという学問分野が、何を対象とし、また何処を目指すのか、ITとの関連を意識しつつ、解説されました。また、金融工学の歴史を振り返り、その発展にとりわけ際立つインパクトを与えた諸成果の紹介がありました。
- 金融リスク管理におけるIT技術の活用
講演者:日本銀行 金融研究所 内田 善彦 氏
概要:金融機関にとって、金融リスク管理(資産・負債の価値変動を適切に制御しつつ、収益機会を高めること)は経営上の最重要課題の一つであり、その巧拙は当該金融機関の経営継続性を左右し得ます。このため、現在では金融機関における情報投資の大きな柱の1つが金融リスク管理関連分野向けとなっています。本講演では、金融リスク管理におけるIT技術の活用の現状について、主として銀行・証券会社を念頭に概観されました。
- 金融市場分野におけるITトレンド
講演者:みずほ情報総研 金融技術開発部 眞柄 智宏 氏
概要:金融市場取引は、コンピュータの発展に伴い、規模の拡大・高度化されてきた経緯がある。金融市場分野のシステムには、どのようなものがあるか、ITトレンドの変化とあわせた解説、最近のIT技術適用事例について紹介がありました。
- ファイナンス研究と連動したWebサービスの可能性
講演者:中央大学 大学院国際会計研究科 石島 博 氏
概要:ファイナンス研究の成果に基づいたWebサービスを通じて、例えば、「経済状況を読みながらどのような資産に配分して投資をすればよいか、ターゲット企業の理論価値はどれくらいあるのか、地図上に表示されているこの不動産の価格はいくらか」といったファイナンスにおける課題に対する1つの答えを社会に還元する取り組みについて紹介がありました。
第2部の自由討論会では、OACIS旧幹事である中野博隆氏および新幹事である谷田純氏の挨拶の後、活発な議論がそれぞれの参加者の間で交わされました。
アンケート結果
回収されたアンケートは29でした。
設問:今回の参加目的(複数回答可) |
「金融工学と情報通信技術」についての情報収集 | 11 |
講演テーマや講演者への関心 | 4 |
大阪大学の取り組みへの関心 | 11 |
その他 | 1 |
無記入 | 5 |
設問:シンポジウムにご参加された全体的な印象はいかがでしたか |
大変役に立った | 12 |
役に立った | 14 |
普通 | 2 |
悪い | 0 |
大変悪い | 0 |
無記入 | 1 |
アンケートの中から自由意見を以下に示します。
- ITサービスの種をみつけることができた
- IT技術と金融工学といったテーマはなかなか聞くことが出来ない為、実に有用であった
- 金融という分野でご活躍されている方の見識を拝聴でき非常に貴重な体験ができました
- 金融に特化して情報との関連を講演頂いて大変分かりやすかったです
- 昨今のトレンド、市場情報を知る上で、大変よい勉強をさせて頂きました
- 金融システムや考え方など、工学が利用されているが、これまで知らないことを知ることができ、非常に参考になりました
- 先端技術について新たな知識が得られた
- ITに関する広範囲の基礎知識が必要な点がわりと多かった
- 普段触れることが無い学術的な情報・知識を得ることが出来た
- あまり聞く機会のない内容で大変興味深かった