技術座談会は、ＯＡＣＩＳの活動の一つで、特定のテーマについて議論するもので、月に1回程度開催します。大学側からは１ないし２研究室の研究内容を紹介し、大学と企業の連携について自由な議論をする場です。より議論を深めるため、小規模の参加者で行ないます。

　第二回はバイオインフォマティクス（生物情報科学）の分野で研究を進めている松田研の研究を紹介します。バイオ分野へのITの応用について下記のようなことに興味のある方の御出席をお願いいたします。

（http://www-mats.ist.osaka-u.ac.jp/~matsuda/）

• 大量の遺伝子配列を機能アノテーションする技術。バイオ分野の特徴としてデータ量が急増しており膨大な量の文字列照合と複雑な知識情報処理が必要となっています。解析したい新規遺伝子とデータベース中の遺伝子のDNA塩基配列（A,T,G,Cの記号列）を文字列照合により比較することが盛んに行われていますが、データベースには現在約1676万個の配列（総計で約190億塩基）のデータがあり、しかも毎年約2倍に増えているので、非常に高速の検索が必要です。また、検索結果をもとに、新規遺伝子についての生物学的な知見を引き出す機能アノテーション（生物学的な機能についての注釈付け）では、複雑な知識情報処理が必要となっています。我々の研究室は、マウスおよびヒトの遺伝子配列の機能アノテーション国際会議に参加し、研究室で開発した技術を実際に機能アノテーションに適用しましたので、これについて紹介します。
• 遺伝子発現プロファイルの解析技術。遺伝子発現プロファイルとは、DNAチップと呼ばれる測定装置を使って計測した、生体内での遺伝子の活動量のことです。DNAチップを使えば、一度に数千個の遺伝子の活動量を計測でき、例えば病気のときと正常なときでの遺伝子の活動量の違いを臓器ごとに見ることが可能です。しかし、得られるデータ量が膨大であり、またデータに誤差が多く含まれることなどから、その解析には注意が必要となっています。本講演では、我々の研究室で開発した解析技術について紹介します。

場　所　：日本能率協会　セミナー室（http://www.jma.or.jp/zenkoku/osakaf.html）

（〒541-0052　大阪市中央区安土町2−3−13大阪国際ビル28階）

申し込み方法：下記の内容をメールでregistration_zadankaiに送付する。